Hibinoさんは店舗を持っていないパン屋さんです。
出会えるのは、ネット販売か日出豊岡の「おくど市」や別府山田別荘の「縁側カフェ」
別府アートマンスのギャラリーなどのイベントと、提携されているCafeそらさん、808ヤマジさんなどです。
「颯爽」という言葉がこれ程に会う人もめったにおらんやろ、という感じでイベント会場に現れ、たった一人で大量のしかも種類の違うパンを黙々と並べる・・・。
そして、並べる端から次々とお客さんが現れてパンが消えていく、という光景を何度も見ました。
私が最初に頂いたhibinoさんのパンは、
「カンパーニュ」「コンブレ」「ラムレーズン」「スコーン/プレーン」
「ベーグル/エヴリシング」
二回目に頂いたのは「チョコとクランベリー」「グリーンレーズン」「くるみとレーズン」「ベーグル/プレーン」
なぜもの覚えの悪い私が覚えているかというと、私がマニアックなせいではなく、それほど印象に残る味わいだったということです。
天然酵母のイメージは恥ずかしながら「かたい」「酸っぱい」というものしか知らなかったので、麦の味をかみしめられるようなパンにびっくりしました。
そして気合の入った素材の盛り込み方と際立たせ方!
ラムレーズンのラムの香りはきちんと、かじる度に立ち上って、授乳中でええんかいな・・・と思う間もなく、思い切りよく食べてしまいました。
チョコとクランベリーはこれでもか!というくらい濃いチョコの中にクランベリーの酸味が現れて、やっぱりおいしいなあ、としみじみ思いました。
ベーグルは皮だけ固くて中身がすかすかしているものが多いのにふんわり。エヴリシングの塩味のうまみ。
よみがえる味の思い出にいつでも浸ることが出来るようなパンです。
でも私がhibinoさんのパンをオーガニックマーケットで紹介したいと思ったのは味だけが理由ではありません。
材料の素性をいつもはっきりさせている事と、「日々のパン」の名前の通り毎日食べても飽きない「主食」のパンと「おたのしみのおやつ」のパンをはっきり分けた作り方をしているからです。
「日々のパン」には基本的に牛乳・砂糖・卵は使っていません。
そこがとても安心出来て信頼出来るところでした。
私の1歳の息子は小麦の残留農薬に反応するアトピーだったため、まず国産小麦を、出来たら農薬・化学肥料不使用のもの、を探し回りました。お砂糖も(精製されたものは特に)アトピーの反応が強まるので除去しました。
それでもパンはやっぱり欲しがるので、hibinoさんのシンプルなパンを見つけた時はとても嬉しかったです。そしてとても美味しい。湧きあがる満足感は他ではなかなか得られないものでした。
息子は幸い、アトピーは落ち着きました。
でも、「小麦アレルギー」ではないのに小麦製品が触れるだけで口の周りが反応して真っ赤になるお子さんがいる事も知りました。
乳製品は確かにとても美味しいです。わたしも大好物ですが「毎日」のものではないのでは、と感じています。わたしは牛乳の摂り過ぎで小さい頃はずっとアトピーでした。
今回は特別に国産小麦でしかも無農薬・無化学肥料の小麦を使って、しかも乳製品・卵・砂糖を使っていないパンも用意して頂きました。
私と同じようにどこにも売ってない!とパンを探し回ったお母さんがもしも、このパンにめぐり逢えたら本当に嬉しいです。
Hibinoさんは本当に素材の素性を大事にされていますが、小麦も自分たちの手で作ろうと、挑戦されたそうです。
安心院の畑で収穫までしたそうですが、収穫した直後、雨に打たれて小麦が発芽して満足出来る量の「小麦粉」にはならなかったそうです。
また、小麦は虫の大好物。粒の状態でもあっという間に食べられてしまうのに、長い時間を掛けてはるばる日本にやってくる小麦のポスト・ハーベストのすごさを余計、実感したと言われていました。
畑とつながるパン屋さんを感じさせるのは、グリーンツーリズムのインストラクターで北海道に長年いらした経験からかもしれません。北海道ではカフェも経営されていてお料理も今は「縁側カフェ」のイベントなどで楽しむ事が出来ます。
天然酵母の魅力も沢山話して下さいました。
「待つ」たのしみ。酵母の都合の時間の流れかた、また天然酵母(ホシノ天然酵母)と、米麹を使った自家製天然酵母(酒種酵母)でも作っているそうです。味が変わらないように酵母液はその都度使い切りにするそうです。日本人にあったますます「主食」にふさわしいパン。
でも、「おたのしみのおやつ」としてのパンも販売して下さいます。
素性のはっきりした材料を使って、美味しい味を一から作り上げる、その素材の組み合わせのセンスもどうぞおたのしみ下さい。
「美味しいもの」はきっとこころを明るく、たのしくしてくれると思います。
そんな力のあるパンです。
きっと私と同じようにhibinoファンが増えると思います。
Hibinoさんのパンは「杉田久美子さん」という人がたった一人で、機械ではなくその手で作っています。
杉田さんの思いや、考えや、時間や、こころまでまるごと、まるでその人そのものを味わうパン。そんなふうに私は感じて頂いています。
オーガニックマーケットに訪れたみなさんと一緒に分かち合えたら嬉しいです。