もし、奇跡的に良い食材手に入れても「料理」の仕方で必要な栄養素が奪われてしまう。
今の家庭料理の仕方が大変な事になっている、と警告・啓発されているのが弓田亨さんです。
料理方法以外にも、素材そのものから必要な栄養素がなくなっていることや、家庭での「食生活」が崩壊している現状などに改めて気付かされます。
弓田さんは、それはそれは美味しくて「濃い」味わいのお菓子を作られるパティシエです。
東京の代官山のお店で何度か頂いて幸せ気持ちになりました。
パティシエなのに、何故家庭料理の本を出しているのか。
日本の家庭料理の「ルネサンス」で回復をはかられることを始めたのか。
NHKの朝の情報番組で、和食・中華・イタリアンのシェフが同じ素材を使って家庭料理の提案をするコーナーがありました。
和食では夏野菜を細かく刻んで炒めて味噌と混ぜた「夏野菜味噌」
ところが夏野菜を炒めたものを味噌とあえる前に彼がしたことは、炒めた野菜をザルにとって、
熱湯をかける「あく抜き」。
私は唖然としました。これが、弓田さんの言われる日本の食の現状なんだな、と改めて思いました。
番組内でも、イタリア人のシェフが本当に驚いていて「イタリアでは絶対そんな事はしない。美味しさが抜けてしまう。」
でも「えぐみが抜けますから」「・・・」
かの辰巳芳子先生の本を読んでいても「大根のあく抜きって必要なんでしょうか・・・」とも
思っていました。
何のために、誰のために料理するのか。「体を作る栄養素を食べ物から分けてもらう」というシンプルな考え方が基本なのではないか。過剰な下ゆでやあく抜きで栄養素が抜け落ちた料理を誰にたべさせているのか。それを「いのちを作る料理」と言っていいのか。
その「手を掛けた」料理を長年食べ続けて、重篤な病にかかった方の回復する様子も書かれています。
是非、本にふれることで知って頂きたいと思います
「失われし食と日本人の尊厳」
この気合の入ったお顔が弓田さんです。
なんかおかしいのではないか、と深く追求せずにいたことが「はっきり」「きっぱり」あいまいな表現はなく書かれていました。
自分のつくりたい本をつくる、書きたい本を書けるようにする。
そのために出版部も作られています。
批判することが目的ではなく、たいていの人がぼんやりして気付かない危機的状況を
指摘されて、「日本の家庭料理を取り戻そう」と具体的な解決策を講じて、実践されて
結果もだされている方です。
私はおおいたで弓田さんの講演会を開きたい、と思っています。
毎日何気なくしている「油揚げの油抜き」「根菜類のあく抜き」「野菜の皮むき」
それがとてももったいないことであることがわかると思います。
さとう・みりん抜きで出来るおせち料理が出来るって信じられますか?
心の底から満足して幸せになるごはん
是非、手にとって見て下さい。
ごはんとおかずのルネサンスが始まっていることをどうしてもお伝えしたいと思っています。