奈良オーガニックマーケット レポート

奈良オーガニックマーケットは毎月最終日曜日の開催です。

 

3月31日にお邪魔しました。どうしても一度は伺ってみたかった。

 

石橋を粉砕するタイプの人間なので、おおいたOrganic Market を開催する前に、いろいろとリサーチしました。

 

目指す方向性と趣旨がはっきりしていて、それがとてもわかりやすく伝えられているブログを

見つけました。それが奈良オーガニックマーケットです。

 

いろいろ聞いてみたいことが沢山あって、主催者の榊原さんにいきなり電話してしまいました。

まだ何もしていない、何の肩書もない、育児休業中の人間から

「おおいたでもオーガニックマーケットをやりたい。アドバイスください。」という・・・。

しかも、失礼なことに一度も伺ったこともないのに。

 

でも、やや戸惑いながらも丁寧に、難しかった点や失敗例も含めて、先駆者としての経験を惜しみなく教えて頂きました。

 

榊原さんのアドバイスがなければ、もっともっと回り道やいろんな人に今の何倍かは迷惑を掛けていたはずです。とてもありがたいことでした。

 

お礼をお伝えしたいのと、実際に開催してみて分からなくなったこともあったので、ヒントもいただきに上がりました。

 

お手本にしたいと思ったことも含めて、レポートです。

 

 

 

JR奈良駅前広場での開催です。

関西に長年住んでいたので、奈良に行けてうれしい・・・。

 

立派な燈籠の前の看板です。

テントはロの字の二重です。

出店数はおおいたの3倍です。

 

羽間農園さんのお米

 

最初の掛け干しのディスプレイは

「できるだけ農家の暮らしがイメージできるように」

 

冬は雪だるまも。

 

お米の1キロづつのパッケージも新鮮でした。

原木しいたけのパックはふきのとうも。

 

兄妹で農園をされています。

 

画像にはありませんが、

森の小道で自然に発酵させる

自然発酵の番茶がとても優しい味でした。

 

 

妖精のような妹さんに

見とれてやや不審がられる・・・。

 

キタムラ農園さん。

 

玄米と白米の量り売りです。

ガラスのジャーがとても素敵です。

 

お米の色も見えるし、1合からなので購入しやすい。

 

1合のガラスコップで取り出して

丁寧に量りで計測して頂きました。

「野菜とか農産物は基本は量り売りだと思う。

規格がどうのこうのではなく・・・。」

 

「お米も生鮮食料品。

美味しいうちに食べきれる量だけ購入して

もらえたらと思います。」

 

 

関西はそういえば量り売りの文化だったと

思います。

でも、そうなればゴミも少なくなるかも。

 

ふじたに養鶏苑

 

地飼い卵のお店も。

ゆでたまごも美味しそうでした。

 

そうか、そうすればその場で食べられる・・・。

 

 

説明のボードが丁寧です。

 

 

パン屋さんも。

ディスプレイも世界観があって素敵でした。

 

 

ハード系のパンが品揃え多数。

需要がやっぱりあるのかな。

おいしそうでした。

 

台湾茶と飲茶のお店。

ワークショップのご案内を頂きました。

 

行ってみたかった・・・。

 

 

 

蒸籠のちまきが相当美味しかったです。

台湾茶の屋台があるいう発想が新鮮でした。

 

 

こちらもお米は量り売りです。

解説も丁寧でずっとお客様が絶えない様子。

 

 

雷が盛大になって土砂降り。

みなさんテントで一緒に雨宿り。

 

すぐに雨は止みました。

雨の経験もできてしまった!

 

自然食品とお野菜のお店も。

3月はやはりお野菜の少ない端境期です。

 

 

地あぶら。

大分でもこのラベルを見かけました。

 

 

なんという魅力的な・・・。

 

 

それがこれ。

お皿とお箸は使い捨てではなく

要返却。

木皿が温かで冷めにくいです。

 

お餅も焼けています。

ワイン箱で風よけ。

 

美味しかった。

 

 

 

玄米の入ったもちもちのわっかパン。

 

ラインナップが面白いです。

 

おかず系のものもありました。

きんぴらごぼうとか。

素朴な温かさでした。

 

 

おしゃれなお二人です。

市場の雰囲気に天然素材は抜群に

合います。

 

 

はちまつ養蜂園さん。

 

蜂蜜ぷりん。

美味しいに決まっている・・・。

 

 

実際美味しかったです。

蜂蜜の香りもちゃんとして

特にソースが。

 

大分県産の蜂蜜は濃厚で

こちらの蜂蜜はマイルドでした。

 

花と樹を比較しても

やさいしい味。

 

県民性の違い?

 

 

    メレンゲも・・・。

 

 

Organicのお茶です。

いろいろな種類が。

 

パッケージも素敵でした。

 

 

春の具だくさんの味噌汁。

お味噌でおなかの中から温まりました。

 

フェアトレードのコーヒー店。

テーマカラーがとてもおしゃれでした。

 

 

オーガニックコットンで手つむぎのお店。

柔らかさにびっくりでした。

 

気持ちよさそう・・・。

 

 

キッシュ専門店。

1つでおなかいっぱい。

えびとアボカドのキッシュ、相当美味しかったです。

 

 

気になっていた竹テント。

竹の有効利用もあって使用中。

 

重い分、安定しているそうです。

ただし重いのが難点。

 

大分の竹職人のどなたか、

作って見られたい方いないでしょうか?

 

 

お弁当やさん。

いつもすぐに完売されるそうです。

 

センスがとても素敵でした。

 

 

 

マーケットをすることになって初めて知った

種のこと。

 

奈良オーガニックマーケットではずっと

続けて交換会に取り組んでいます。

 

 

インフォメーションも充実しています。

必ず解説してくれる方がいます。

 

 

種の実物です。

 

 

 

専門家ではない、

一般の人に伝わりやすく

分かりやすくする工夫は

とても大切だと思います。

 

交換会のコーナーを見て

改めて思いました。

 

 

天然素材でできた石鹸。

ディスプレイにもヒントが。

 

 

 

 

 

 

主催の榊原さん。

25回以上、マーケットをやってきた実感、

目指すところを改めて話してくださいました。

 

 

「マーケットという売買の場を設けて、消費者にも意識を変えてもらいたい。

でも、食に対する関心の高い人とそうでない人の違いは開く一方で埋まらない。」

 

「目指すところは「こどもの食」。それをまともにすること。」

 

「給食は保護者だけでも、学校関係者だけでも変えていくことは無理。

まずは自分の作った野菜をこども達に食べさせたいという生産者自身の強い気持ちが

ないと、その野菜は子供達に届かない。」

 

「都市の富裕層のためのオーガニックではなく、地元の子供たちのために、まず、」と。

 

 

「これからの世の中がどうなるかわからない。

本当の防災は、地域の子供たちの食べ物を、命を健全に育てられる食べ物をちゃんと

口に入れることができる、地産池消のシステムが整っていること。」

 

 

「環境も食の世界もむちゃくちゃになっているのは間違いない。

自分たちの世代で元に戻すのは不可能。次の世代に託すしかない。

強い体と心を持った世代を育てる責任は自分たちにある。

まともな食が必要なのはそこ。」

 

 

給食の改革に成功した愛媛県今治市を訪ねて、視察し、8月に給食のシンポジウムを

行うそうです。

8月は夏野菜の最盛期。それでもオーガニックマーケットを休んで行うそうです。

 

 

実は榊原さんの話を聞きながら、思ってもみませんでしたが涙がどうしても止まりませんでした。

 

オーガニックマーケットを通じて、いろんな方に会いました。

私は出会った方の言葉に、実際の行動に、そして何よりそのこころに胸を打たれているのだと

初めて実感しました。

 

榊原さんの言葉を聞きながら、とどめを刺された感じです。

もう、許容量一杯になってしまった感じです。

 

 

 

選挙の前の政治家の理想の言葉ではなく、具体的に変えて行くために試行錯誤してきた人の

言葉は心に響きました。

「理想でなく、それは緊急にやらなくてはいけないこと。

愛と情熱をもって行動することが大事。」

 

昔、京都東寺のおみくじに書いてあったことを思い出しました。

「行動なき思想は妄想、思想なき行動は妄動」・・・さすが空海。

 

「なんか僕が泣かしたみたいやん!」と慌てる榊原さん。

そうです。泣かされましたよ。

日常会話で「愛」をいう言葉を使って少しも違和感を感じない。

相当かっこいいぞ!榊原さん。

 

具体的で現実的な目標を実現していくためには、軌道修正していく勇気も必要なことも分かりました。

 

さらに数歩先を行かれる奈良オーガニックマーケット。

おおいたではどうしたいのか。何を目標としていくのか。

 

まだまだ一歩踏み出したばかり。

大きく何かを変えよう、ということではなくまずは「美味しくて、楽しい」ことを入口に

決してマニアックではなく、わかりやすく伝えていくことが大事だと思いました。

 

榊原さんたちのみなさんの思いが詰まった冊子「タネヲマク」

詩集のような美しい本です。

 

羽間さんの自然発酵番茶・紅茶とともにお土産として奈良オーガニックマーケットから

持ち帰りました。

 

羽間さんからはメッセージも添えられて商品として追加納入されました。

「大分の方に喜んで頂いて、売れるのはうれしいですが、消費だけではなく

大分でも同じように作られた地元のお茶が出来たら、さらにうれしいです。」

 

 

もう、違う価値観の世界で実際に生きている方なんだ、とまた胸を打たれる言葉を頂いてしまいました。